2012年4月25日水曜日

Amtrak - Tucson, AZ (TUS)


ツーソンはフェニックスに次ぐアリゾナ州第二の都市で、「住み良い町NO.1」に選ばれるなど生活環境が良い町として知られています。 生活環境が良いという基準は、街の雰囲気、福祉、教育、治安、交通の便などの要因もありますが、気候というものも深くかかわってくると思います。 ツーソンは砂漠気候のため湿度はなく、1年の内の90%は晴れています。 これだけなら申し分のない気候です。 しかし、ここは夏場は気温が40度を越える日々が続きます。 エアコンというものが発明されていなかったら、ここまでツーソンは発展しなかったことでしょう。 アリゾナ州最大の都市フェニックスも同じような気候をしています。 町の標高が330メートルのフェニックスに比べ、ツーソンは730メートルと比較的高 いので、フェニックスよりは幾分最高気温が低くなっています。 私は数年前の夏にツーソンに2ヶ月ほど住んでいたことがあるのですが、その時の会話で、「フェニックスは45℃、ツーソンは40℃、やっぱりツーソンは涼しい」というような事を言っていた記憶があります。 いま思えば50歩100歩でどちらも暑い(熱い)ではないかと言いたくなりますが、この5度の違いは住んでいる者にとってはやはり大きかったです。 それでも連日40度を越す気温の中での生活は結構大変でした。 私の乗っていた車はエアコンがなかったので窓を開けて運転していたのですが、吹き込んでくる風は熱風で、常にドライヤーをかけられている気分でした。


クラマスフォールズ、オレゴン州の病院

郊外に出るとこの土地特有の動植物が見ることが出来て面白かったです。 動物では「ロードランナー」と「コヨーテ」を見ました。 アメリカのアニメで、「ミンミン」といって道を猛スピードで走る鳥をご存知の方も多いと思います。 それがロードランナーです。 この鳥本当に飛ばなくて、地面を走り回っています。 1回ロードランナーを追っかけたことがあるのですが、それでも走って逃げていきました。 次に本気で走って追っかけたら、今度は飛んで逃げて行きました。 やはり鳥だけあって、飛ぶことは出来るようです。 でもこのロードランナーは天然記念物に指定されているとかで、追い掛け回してはいけないという事を後で聞きましたので、皆さんはそのようなことはしない方がいいと思います。 ロ� �ドランナーの数に比べるとコヨーテは少なく、しかも人間の近くには寄ってこないので、遠目にしか見たことはありません。 遠くにいるコヨーテは普通の犬と区別が付かないほど似ていて、あまり大きな動物ではないようです。 アニメの中ではコヨーテは色々と小細工を使い必死になってロードランナーを捕まえようとするのですが、いつも失敗し、岩はコヨーテの頭の上に落ち、爆弾はコヨーテの目の前で爆発します。 単純明快なギャグですが私は好きです。 ツーソンではその両者を生で見ることが出来ます。 


ここで、iは、サンディエゴの慈善団体に私の車を寄付することができますか?

植物に関しては、やはり "Cactus" (サボテン)でしょう。 サボテンというと人間が両手を中途半端に挙げたような形のものを連想する人が多いのではないかと思います。 実はこのサボテンはアメリカではここツーソン周辺にしかないものなのです(あとはメキシコの一部の地域だけ)。 よくアメリカの荒野をイメージしたものの中にこのサボテンが描かれているものがありますが、それだとそこはツーソンだといっているようなものなのです。 なぜここにしかないのか実に不思議です。 土壌の成分とか気候とかが微妙に他の土地と違うのでしょうか。 このサボテンは愛くるしい形をしているのですが、近くで見るとその大きさに驚きます。 人間の4-5倍の高さがあり、高いものでは10メートルを越えていて、思っていたよりも巨木(巨サボテン?)であること� �分かります。 そのサボテンを間近に見たい人には、市の西側にある Tucson Mountain County Park の中を通る Gates Pass Boulevard がお勧めです。 この道路にはいくつかの観察用の駐車スペースもあり、ゆっくりとサボテンを見ることが出来ます。 ただ山道で道幅も狭いので運転には十分注意してください。 この道路はカウンティーパーク内を走りますが、入園料や管理費などは取られないので、無料で走ることが出来ます。 その Gates Pass Boulevard の西の終点にはオールド・ツーソンというテーマパークがあります。 オールド・ツーソンはカウボーイ映画の撮影用として、昔の西部の町並みを再現して造られたものを、観光用に開放しているものです。 オールド・ツーソンの北側には Saguaro National Park (サワロ国立公園)が隣接していて、サボテンの中を通るトレイルなどもあり、本格的に観察したい人にとってはこちらの方が良いかもしれません。 ここはナショナルパークのため車1台につき4ドルの入園料が必要となります。


前科者を雇うでしょう下のミシガン州の雇用者。

さて、ツーソンのアムトラック駅についてですが、ここには旧サザン・パシフィック鉄道が1907年に建造したスパニッシュ風の駅舎が健在です。 この駅には2001年と2002年の2回訪れたことがあるのですが、2回目の2002年に来た時は、駅舎は改装工事をしていて内部は立ち入り禁止となっていて、アムトラックの事務所も仮設のプレハブ小屋に移転していました。 この工事は2003年半ばには終了する予定となっているので、その後は再びアムトラック事務所も駅舎に戻るものと思われます。 2001年に来た時は、アムトラックの待合所にも入ったのですが、大きな駅舎の割りに待合所は小さく、薄暗い印象を受けましたが、改修によってどう変わるのか楽しみです。 プラットホームには駅舎への地下道の入口がありましたが、現在では閉� �されていて、上部には蓋がされてしまっています。 それだけ多くの乗客があり、線路番線も多かったということでしょう。 ここツーソンから西へ向かうと次の停車駅はマリコパ駅になっていますが、1996年5月まではフェニックス駅を通っていました。 列車のルート変更によりフェニックス駅は廃止となってしまいました。 アムトラックのツーソン駅の1キロほど西(South Granada Avenue と West Congress Street の交点)には、旧エルパソ&サウスウェスタン鉄道の駅舎があります。 この駅舎は1913年11月に開業した古いものですが、現在ではレストランに改造され、昔の面影はありません。 この駅舎のホーム側は塀によって区切られてしまっていますが、今でも廃止となった線路が残っていて、それがこの駅で唯一、昔のままの遺物のような気がします。 


ツーソン市内には観光用のトロリーカー(Old Pueblo Trolley)が運行されています(週末金土日のみの通年営業)。 アリゾナ大学の正門近くから、University Boulevard を西に通り、4th Avenue で北に進路を変え、8th Street の車庫まで運行しています。 このトロリーはボランティアによって運営されていて、様々な国からトロリーを購入しています。 その中のひとつに日本の路面電車も含まれています。 この路面電車はオリジナルは1953年製の京都市電の電車で、その後京都市電から大阪の阪堺電軌に移籍した後、1992年に引退しました。 そして1992年の11月にはここツーソンに搬入されました。 この電車の購入費は10万円でしたが、大阪から神戸港までの搬送費が非常に高く、結果的にツーソンまでの搬送費は300万円を越えました。 それらの苦労の末、1993年4月17日には日本の路面電車がここツーソンで再び走り出しました。 しかしツーソンの日差しは強烈で、塗装面が傷んできたので1994年5月に塗装と車両改造のため入庫し、その後1995年6月に新塗装� ��オリジナルの京都市電のカラー)になった電車はまた運行に復活しました。 これらの情報は Old Pueblo Trolley のホームページからのものです。 その日本の路面電車も写真付きで解説されているので、興味のある方はこちらからどうぞ。

注記:
アムトラックのツーソン駅の改修工事が、2004年3月22日に終了し一般開放されました。 どんな風になったのか楽しみですが、多忙、金欠とあまりにも遠距離のため当分は行けそうにありません。


追記:
2008年3月に再訪しました。 この駅まではバスで来たのですが、実はこのバスはアムトラックの代行バスとして運行されたものです。 本当はサンセット・リミテッド号にロサンゼルスから乗る予定だったのですが、ロサンゼルスに着くはずの列車がツーソンで運転打ち切りになったので、その列車を捕まえるためにツーソンまではバス連絡となりました。 この駅に代行バスで到着したのは午前2時前、列車に乗れたのは午前4時と、最悪の時間帯に乗り継ぎさせられました。 ツーソン発の列車だから定刻に発車すると楽観的に考えていましたが、やはり遅れで有名なサンセット・リミテッド号、しっかり遅れて駅に入線して来ました。 乗客の中には子供やお年寄りの方も多くいましたが、小さな待合所の硬いベンチで列車を待っていま した。 列車が入線する時間までせめてバスの中で仮眠できたなら疲れ方も違ったことでしょう。 このサービスは改善すべきと思いました。 こんな状態なので私も一睡も出来ずに駅にいました。 疲れてはいましたが駅観察を始めます。 待合所は代行バスからの乗客で一杯で、ベンチに座れない人たちもいました。 これは本来のこの駅の利用客をはるかに越える人数がいたために窮屈に見えたのでしょうが、あまり良い印象は受けません。 それと駅の明かりが蛍光灯を使用していて、何だか白っぽくて落ち着かなかったです。 日本の駅では蛍光灯をよく使用しますが、アメリカの駅は薄暗い駅が多いので、この駅は不自然に明るく感じました。 この駅は深夜帯に列車が到着するので、治安の面から考えると、明るすぎる待合� ��の方がよいのかも知れませんが、正直この明るさは私の好みではありません。 外に出ても暗くて外観はよく分からなかったのですが、改修前の駅舎より白っぽくなっていた気がしました。 また、駅舎とホームには鉄柵が設けられ、列車の到着時以外はホームに入場出来なくなっています。 こうは言いたくありませんが、やはり改修前の駅舎の方が歴史の重みのある渋い建物でした。 待合所も薄暗かったけれど、落ち着ける空間がそこにはありました。 改修によって歴史の重みをすべて剥ぎ取られてしまったようです。 でもこれは仕方ありません、あと100年待ちましょう。



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